伊織直加からのメッセージ
大階段の最後の1段を降りるまで
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▲東京宝塚劇場にて |
4月から産経新聞東京朝刊で「コレ、聴きま専科」を連載してきた専科の伊織直加が今月8日、退団を発表しました。
連載を応援をしてくれたENAK読者のみなさまへ、伊織からのメッセージをお届けします。
先日発表したとおり、退団することを決めました。
「驚かせてごめん」のひとことにつきるんですけど、急に決めたわけではありません。宙組公演「カステル・ミラージュ」のアントニオ役を演じていたときから徐々に考え始めていました。アントニオは「これは!」と思える男っぽい役で、男役冥利につきる役とめぐりあえたなと思いました。
その次に外部出演「キス・ミー、ケイト」で女役をやり、女性のキャピキャピしたところと男らしさと役の幅が広がり、役者として幸せでした。そこへもって(同期4人による)「Switch」もできました。
立て続けに夢が実現し、男役としてやり残したことがなくなったのです。
一般に男役10年といわれますが、私は14年続けて、もう熟したなと思うようになりました。いま、ファンのみなさまから、仲間たちからたくさんの愛をいただいて、幸せなときに退団したいなと考えたのです。
来年は宙組公演の前、4月にはディナーショーもあります。この「コレ、聴きま専科」の連載のおかげで音楽の勉強がたくさんできましたが、こんどのディナーショーでは私が宝塚で歌った歌を中心に構成しようと思っています。私のヒストリーを振り返るようなものにしたい。
そして、宙組公演で大階段の最後の1段を降りきるときまで男役としての私のすべてを出し切り、燃え尽きたいと思っています。
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