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姿月あさと インタビュー
（４）突然の組替えに呆然
5月24日（木）大阪夕刊
by 飯塚友子
−−１７歳のころ、テレビの取材で「将来の夢はない」と言ったという有名なエピソードがありますね
姿月あさと 「将来の夢は」と聞かれて、「ございません」と答えたのはすごいエピソードだってみんなに笑われます。でも今聞かれても、私はないですね。決めたくないっていうかな。
−−じゃあ何で宝塚にいるの？って思われちゃうんじゃないですか
姿月 そうか、そうとられるんだ。
−−若いころは本心とは反対のこと言ったりすることがあるから、そういうのかと思ったんですけれど
姿月 それはトップになりたいとか、そういうことですか。１回も思ったことないです。努力はするけれども、何かがしたいっていうのはないかな。
−−初舞台は雪組ですね
姿月 初めて大阪の実家を出て、宝塚の寮に入りました。家からお布団とか持って行って、上級生と２人部屋。それは勇気がいったかな。
−−環境がガラリと変わった。まだ１７歳ですよね
姿月 何が大変だったのかな。自分のお給料でやっていくっていう生活をするわけですよね。お金も「使っていいのかな、使ったらなくなるしなぁ」とか生活を考えての我慢であったりとか、自分のやりくりが始まるわけで。
−−意外と堅実。ご趣味もお掃除だそうで、スターらしくないというか
姿月 スターじゃないですよ。そんな下級生で。
−−確かに宝塚に入っても、しばらく新人公演で目立った役がつかなかったですよね
姿月 何にもなかったです。
−−コツコツ努力は続けながら、宝塚の舞台に立てるということに喜びを感じていた
姿月 （宝塚が）好きだったから。人のお稽古（けいこ）も見られるわけだし、かつて宝塚に通って見に行っていたのと同じように、行ったら毎日いろんな人が見られるっていう楽しみですか。でも楽しいことばかりじゃなくて、音楽学校の時もそうだったんですけれど、やっぱりプロとして、お稽古でも上級生から毎日毎日怒られるのが当たり前。技術的なこともそうだし、色々なことで。
−−今振り返ると、自分の中でトピックになった出来事は何ですか
姿月 私は７年目まで花組にいたんですが、急に組替えになって。地方公演に行っているときに、舞台稽古が終わってバスでホテルに帰って、みんなでご飯食べようと言っているときに１人で呼ばれて、「次の公演から月組に」って言われて。その衝撃たるや、自分が組替えになるとも思っていなかったし、一体何が起きたのか分からないのと、悲しいのか何なのか分からないけれども、ずーっと泣いてましたね。
−−全く思いもよらなかった？
姿月 思いもよらな過ぎ。断れないですしね。
−−それだけ花組になじんでいたってことですか。確かに当時の花組は、いい男役さんが勢ぞろいしてましたよね
姿月 何がどうなっちゃったのか、理解できなくなっちゃってきていたのかな。
姿月あさと 「将来の夢は」と聞かれて、「ございません」と答えたのはすごいエピソードだってみんなに笑われます。でも今聞かれても、私はないですね。決めたくないっていうかな。
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| ７３期生として入団し、雪組公演で初舞台を踏んだ＝昭和６２年 |
姿月 そうか、そうとられるんだ。
−−若いころは本心とは反対のこと言ったりすることがあるから、そういうのかと思ったんですけれど
姿月 それはトップになりたいとか、そういうことですか。１回も思ったことないです。努力はするけれども、何かがしたいっていうのはないかな。
−−初舞台は雪組ですね
姿月 初めて大阪の実家を出て、宝塚の寮に入りました。家からお布団とか持って行って、上級生と２人部屋。それは勇気がいったかな。
−−環境がガラリと変わった。まだ１７歳ですよね
姿月 何が大変だったのかな。自分のお給料でやっていくっていう生活をするわけですよね。お金も「使っていいのかな、使ったらなくなるしなぁ」とか生活を考えての我慢であったりとか、自分のやりくりが始まるわけで。
−−意外と堅実。ご趣味もお掃除だそうで、スターらしくないというか
姿月 スターじゃないですよ。そんな下級生で。
−−確かに宝塚に入っても、しばらく新人公演で目立った役がつかなかったですよね
姿月 何にもなかったです。
−−コツコツ努力は続けながら、宝塚の舞台に立てるということに喜びを感じていた
姿月 （宝塚が）好きだったから。人のお稽古（けいこ）も見られるわけだし、かつて宝塚に通って見に行っていたのと同じように、行ったら毎日いろんな人が見られるっていう楽しみですか。でも楽しいことばかりじゃなくて、音楽学校の時もそうだったんですけれど、やっぱりプロとして、お稽古でも上級生から毎日毎日怒られるのが当たり前。技術的なこともそうだし、色々なことで。
−−今振り返ると、自分の中でトピックになった出来事は何ですか
姿月 私は７年目まで花組にいたんですが、急に組替えになって。地方公演に行っているときに、舞台稽古が終わってバスでホテルに帰って、みんなでご飯食べようと言っているときに１人で呼ばれて、「次の公演から月組に」って言われて。その衝撃たるや、自分が組替えになるとも思っていなかったし、一体何が起きたのか分からないのと、悲しいのか何なのか分からないけれども、ずーっと泣いてましたね。
−−全く思いもよらなかった？
姿月 思いもよらな過ぎ。断れないですしね。
−−それだけ花組になじんでいたってことですか。確かに当時の花組は、いい男役さんが勢ぞろいしてましたよね
姿月 何がどうなっちゃったのか、理解できなくなっちゃってきていたのかな。
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■記事関連情報 しづき・あさと 昭和４５年、大阪市生まれ。市立淀川中学卒業後、宝塚音楽学校に入学。６５年ぶりに誕生した新組「宙組」トップスターとしてミュージカル「エリザベート」などに主演。平成１２年退団後、ヴォーカリストとしてフル・オーケストラと競演するなど幅広く活躍。  |
