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「リアル・ライヴ・ワン」
古今亭志ん生とアイアン・メイデン
もう30年も以前に世を去りながらいまだに人気があるのが古今亭志ん生師匠。落語ブームのいま、「志ん生という人、出ているでしょうか?」なんて寄席に問い合わせがあるくらい。

ironmaden.jpg もう、高座に出てくるだけでお客が笑い出し、「えー、ヘビから血が出てヘービーチーデー(A、B、C、D)…」なんてしゃれでバカ受け。このヘビ噺のマクラがとても愉快だった。「大蛇だのオロチなんていまは言わなくなった。大きいヘビはいまはヘビー級というそうですね…」と、師匠の口から出るとなぜか笑っちゃうのです。

私も「ハブ物語」という噺をやってますので、ちょっとご紹介を。私の友人でジジイ、ババアなんて口先にドクがるのが毒蝮三太夫。これとは別に沖縄や奄美地方に毒でおそれられているヘビがハブ。ある落語家が沖縄旅行中に突然ハブが出てきた。「おい、ハブ、お前毒をもっているのか?」「イエス、アイ・ハブ」。基地が多かったため英語を覚えていたらしい。奄美大島のハブが海で泳いでいるフグと毒比べをしようと海中に泳ぎだしていったのだが、何を間違えたか、伊豆の大島まで泳ぎ着いてしまった。ここが波浮(はぶ)の港だった…。

同じヘビでもヘビメタ。つまりヘビーメタル。このヘビメタが今秋は盛り上がるとか。レコード店の店員さんが言っていました。

そのヘビメタの大真打ちこそ英国出身のアイアン・メイデンでしょう。そしてアルバム「リアル・ライヴ・ワン」。80年代はヘビメタは大人気だった。金切り声のボーカル、長い髪を振り乱し、びょう打ちの穴あきジーンズや革ジャンなどのド派手なステージ衣装でコンサートを楽しくしてくれた。

私の師匠、先代林家正藏の怪談噺でもスモークマシンという煙や花火などを使う舞台はヘビメタステージとよく似ている。この血わき肉躍るヘビメタの雄、アイアン・メイデンの20年ぶりの日本公演は10月だそうで、楽しみだ。

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(1)「牡丹灯籠」とKiss
(2)「寿限無」とC.C.R
(3)お盆だしカントリーロード
(4)「目黒の秋刀魚」と「つづれおり」
(5)与太郎と「ミニット・バイ・ミニット」
(6)「甚五郎」と「青春の輝き」
(7)「掛け取り」とメリークリスマス
(8)「かつぎや」とジャニス・イアン
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(10)「長屋の花見」とベイ・シティ・ローラーズ
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profile
しゅんぷうてい・えいし
落語家

東京都豊島区出身。
昭和32年3月 京華高等学校卒業
昭和32年10月 8代目春風亭柳枝に入門
昭和34年12月 同師匠没後8代目林家正蔵に移門「林家枝二」
昭和35年8月 二つ目昇進
昭和48年3月 真打ち昇進
昭和57年1月 師匠彦六(正蔵改め)死去
昭和58年7月 7代目春風亭栄枝を襲名