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コンピレーション盤「ラブ クリスマス」
「千両みかん」とクリスマス
四国の松山に親しくしている俳句の宇和川喬子先生という方がいらっしゃいます。なので、松山に数日旅行に行ってきました。道後温泉や正岡子規、夏目漱石ゆかりの地だけあって子供までが五七五なんて俳句をやっている。

ラブクリスマス また、ミカンの産地なので食べ放題。ふと「千両みかん」という噺を思い出しちゃったのです。

ある夏に大家の若だんなが病気に。ミカンを食べたいという。父親は早速番頭を使いに出して江戸中を探させたが、夏なのでミカンはどこにもない。やっと、一軒のミカン問屋の蔵の中から、たったひとつ腐っていないミカンをみつけだす。値段は千両。お金にいとめをつけない父親は息子のため、番頭に千両の金をもたせて買ってこさせる。ミカンの中には10房。若だんなは7房まで食べ、残り3房は父と母、そして番頭に。だが、番頭は1房のミカンを手に考えた。「千両のミカン。これが百両か。一生働いてもわしには百両は無理だ。これさえあれば、生涯楽に暮らせる」。1房のミカンをにぎって、店を辞めてしまった。

四季を問わずいつでも食べられるいまと違っての、季節がはっきりしていたころの、いい噺です。

さて、松山から空路羽田に降りるとクリスマスイルミネーションで飾られた高層ビルがあっちこっちに。子供みたいにうきうきしてくる。

クリスマスソングのコンピレーションアルバム「ラブ クリスマス」には、圧倒的歌唱力のマライア・キャリーの代表曲「恋人達のクリスマス」が入っているのがうれしい。また、骨太のロッンンローラー、ブルース・スプリングスティーンの「サンタが街にやってくる」は実に豪快だ。イタリアでヒットした「悲しみのソレアード」を原曲にした「幼子が生まれたら」をジョニー・マティスがうたう。これが実にきれいな曲。

とにもかくにもクリスマスは楽しい。クリスマスはキリストの誕生日だと教えられたあるギャルが「キリストってクリスマスのころに生まれたの?」だって。楽しい。







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(1)「牡丹灯籠」とKiss
(2)「寿限無」とC.C.R
(3)お盆だしカントリーロード
(4)「目黒の秋刀魚」と「つづれおり」
(5)与太郎と「ミニット・バイ・ミニット」
(6)「甚五郎」と「青春の輝き」
(7)「掛け取り」とメリークリスマス
(8)「かつぎや」とジャニス・イアン
(9)「浮世根問」とシンディ・ローパー
(10)「長屋の花見」とベイ・シティ・ローラーズ
(11)「子ほめ」とビー・ジーズ
(12)「代脈」とTOTO
(13)「道灌」とペギー・リー
(14)「たがや」とエリック・クラプトン
(15)「化け物使い」とビリー・ジョエル
(16)古今亭志ん生とアイアン・メイデン
(17)「お見立て」とドナ・サマー
(18)「後生鰻」とフランク・シナトラ
(19)「和歌三神」とビーチ・ボーイズ
(20)「若水」とジェームス・ブラウン
(21)「茗荷宿」とスティービー・ワンダー
(22)林家三平とダイアナ・ロス
(23)三遊亭円楽とウィリー・ネルソン
(24)「五月幟」とPP&M
(25)「雷の旅」と「太陽神」
(26)円朝まつりと「アイム・セクシー」
(27)「永代橋」とディラン
(28)「イパネマの娘」と林家木久蔵
(29)「やじきた道中−てれすこ−」と「愛の讃歌」
(30)「授業中」と「ホエン・アイ・キスト・ザ・ティーチャー」




profile
しゅんぷうてい・えいし
落語家

東京都豊島区出身。
昭和32年3月 京華高等学校卒業
昭和32年10月 8代目春風亭柳枝に入門
昭和34年12月 同師匠没後8代目林家正蔵に移門「林家枝二」
昭和35年8月 二つ目昇進
昭和48年3月 真打ち昇進
昭和57年1月 師匠彦六(正蔵改め)死去
昭和58年7月 7代目春風亭栄枝を襲名